三陸沖で何が起きているか~「三陸沖の地震はスロースリップの可能性があるようです」な女子アナさんのLINEスタンプ
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これがこのまま東日本大震災パート2のようなものにつながらなければいいのだが・・・
三陸沖で何が起きているか
はじめに
東北地方太平洋沖、特に三陸沖の海域では、過去に巨大地震・津波を伴う海溝型地震が発生してきた。たとえば 東日本大震災(2011年3月11日、マグニチュード9.0)では、三陸沖が震源域となった。 ウィキペディア+1
最近、この三陸沖海域で「スロースリップ(ゆっくりすべり)」と考えられる断層のゆっくりとした動きが観測されており、気象庁・政府の地震調査委員会等から「大地震へ移行する可能性が相対的に高まっている可能性」という指摘が出ている。 FNNプライムオンライン
本稿では、これまでの報道・公的発表を整理し、「現状」「スロースリップとは何か」「今後予測されるシナリオ(通常シナリオ、警戒シナリオ、最悪シナリオ)」を掘り下げるとともに、読者として備えるべきことを整理する。
現状の整理 ― 三陸沖で何が起きているか
最新の地震活動
・2025年11月9日午後17時03分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード6.9(暫定値)/深さ約16 kmの地震が発生した。 気象庁+1
・最大震度4を岩手県内で観測。岩手県沿岸では津波注意報が発令された。 気象庁+1
・発生後も、震度1以上の余震が観測されており、「揺れが続いている」状況が報じられている。 FNNプライムオンライン
・政府の地震調査委員会は、この地震活動を「ゆっくりと断層が動いてひずみエネルギーを開放するスロースリップが起きている可能性がある」 と指摘している。 FNNプライムオンライン
スロースリップという観測
「スロースリップ(ゆっくりすべり)」とは、通常の“ガツンと断層が破壊・滑る”地震(=すべり)と異なり、断層が比較的ゆっくり、あるいは弱い揺れとともに滑る現象を言う。特に海溝沿いのプレート境界で観測されることがあり、プレートの「固着していた部分がじわりとずれてくる」ことが関係しているとされる。
たとえば、気象研究所の研究では、「プレート境界におけるスロースリップ、プレスリップなど固着状態の変化を検出することで、将来の大地震発生との関連性を検討している」。 気象庁
公的資料では、三陸沖海域においてこのスロースリップとされる現象が“東日本大震災前にも発生していた”との指摘がある。 FNNプライムオンライン
従来の注意情報制度
例えば、三陸沖・北海道沖地域においては、ある規模以上(Mw 7.0以上)の地震が発生した場合、続発地震(後発地震)への注意を促す「北海道・三陸沖後発地震注意情報」という制度が設けられている。 気象庁+1
ただし、今回11月9日の地震では、マグニチュード6.9であり、基準である7.0を満たさなかったため、この注意情報は発表されていない。 FNNプライムオンライン+1
スロースリップが引き起こすメカニズムと意味
背景プレート境界とひずみの蓄積
日本の東北地方、特に三陸沖では、太平洋プレートが北米プレート(またはオホーツクプレート)下へ沈み込む日本海溝沿いに位置しており、プレートのゆっくりとした沈み込みや固着・破壊が繰り返されてきた。
このようなプレート境界では、地殻の「固着して動かなかった領域」にひずみが蓄積し、あるところで破壊・滑動が起きると大地震・津波に繋がる。 ウィキペディア+1
そのため、固着域付近で「スロースリップ」が起きることは、固着解除・ひずみ解放という観点から重要視されており、「次の大地震に向けた前兆的な作用」として研究されてきた。 気象庁+1
スロースリップが持つ意味合い
スロースリップ自体が必ずすぐに大地震を起こすというわけではないが、以下のような観点から注意されている:
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固着域の変化(滑り始めやすくなった固着部分の緩み)を示すことがある。
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地震発生直前に観測される可能性がある、という研究がある。 arXiv
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海溝型地震域において「小規模なゆっくり滑り+微動+小地震」が発生し、その後数日〜数週間・数カ月で大きな地震に至る例が過去に報告されている。
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ただし、スロースリップが起きたからと言って、必ず大規模地震が発生するわけではなく、予知が可能というわけでもない。公的にも「極めて不確実性が高い情報」として注意が呼びかけられている。 気象庁
三陸沖における現在のスロースリップ観測の意味
今回の三陸沖における地震活動・スロースリップ可能性の指摘から以下のような意味合いが読み取れる:
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固着していた断層の一部がゆっくり滑り始め、ひずみを徐々に解放している可能性がある。
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そのことにより、従来より「この震源域での大規模地震発生の可能性」が相対的に高まっていると判断されている。政府の地震調査委員会の平田委員長もその可能性を指摘している。 FNNプライムオンライン
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ただし、今のところ「必ず大規模地震が起きる」という確証はない。むしろ、警戒を強めて備える段階である。
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地震+津波のリスクが改めて注目されており、特に地震発生直後から「1週間程度」「震源近傍」での余震ややや大きめの地震、あるいは規模を上回る地震に注意するよう呼びかけられている。 気象庁+1
今後予測されるシナリオ
以下は、三陸沖におけるスロースリップ/地震活動を起点として、今後起こりうる「通常シナリオ」「警戒シナリオ」「最悪シナリオ」を整理する。なお、あくまで不確実性を伴う予測であり、確定的なものではない。防災意識を高めるための整理とする。
シナリオ1:通常シナリオ(想定される範囲内)
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スロースリップによって、ひずみが徐々に解放され、断層の固着域が少しずつ安定化していく。
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今後数日〜数週間のうちに、震度3〜5程度の余震あるいは別のマグニチュード6クラスの地震が発生する可能性があるが、震源が比較的深かったり、津波を伴わない地震となる。
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被害は比較的小規模(沿岸部での局所的な浸水・建物損壊など)にとどまり、地域社会・交通網・インフラへの影響は一時的かつ限定的となる。
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地域住民・自治体の防災意識が再度高まり、避難経路・備蓄・情報確認などが見直される。
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気象庁・関連機関からは「引き続き注意を」とのメッセージが発せられ、津波注意報/警報の発令や「後発地震注意情報」の検討がなされるが、基準までは至らない。
このシナリオでは、重大な被害を伴う大規模地震・津波が即座に起きるわけではないが、「備え」の必要性が改めて可視化されるという点で重要である。
シナリオ2:警戒シナリオ(想定以上/中規模リスク)
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スロースリップが断層の準備破壊を進め、数日〜数週間以内にマグニチュード7.0前後(あるいはマグニチュード7前後+津波)クラスの地震が発生する可能性がある。
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その地震が比較浅い震源(プレート境界付近)で発生すれば、内陸深部や沿岸域で揺れが強く出る可能性がある。
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津波を伴う可能性もあり、沿岸地域では数十センチ~数メートル規模の津波が起きるリスクがある。過去、三陸沖では津波が甚大な被害をもたらした例がある(例:東日本大震災)ことから、警戒が必要である。
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飲食・交通・電気・水道・通信インフラにおいて一時的な影響が生じる可能性があり、被災地域では避難所開設や自治体による緊急対応が発生する。
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メディア・政府・自治体が「数日~1週間は警戒期」として広報を強化する。住民側では「津波避難ビル・高台移動」「長期停電・断水を想定した備蓄」「家族・地域での安否確認手順の再確認」が促される。
この警戒シナリオでは、被害範囲・深刻度ともに通常シナリオより上だが、なお「想定最大クラス」には至らない、という中間レベルのリスクとして位置付けられる。
シナリオ3:最悪シナリオ(巨大地震・津波発生)
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スロースリップや微動・前震活動などが断層全面破壊・滑り(プレート境界破壊)へ移行し、マグニチュード8クラス、あるいは9クラスの海溝型地震が発生する可能性。例として、2011年東日本大震災(M9.0)では三陸沖が震源域となった。 ウィキペディア+1
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震源が浅く、断層の滑り範囲が沿岸に近く広範囲となれば、沿岸部で数メートル〜数十メートル級の津波が発生し、沿岸市町村・港湾・漁港・住宅地で甚大な被害が出る。
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建物・道路・鉄道・ライフライン(電気・ガス・水道・通信)が広範囲で寸断される可能性があり、特に高齢者・沿岸漁村・孤立地域・災害弱者に甚大な影響。
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津波による二次被害(火災・浸水・物流遮断)も発生し、復旧には長期間を要する。地域経済も大打撃を受ける。
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政府・自治体は大規模災害対策本部を設置し、国内だけでなく国際支援も視野に入れた対応が必要となる。
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住民は自主避難・避難所生活・長期備蓄・被災後の帰還・再建を視野に入れていた備えが必要となる。
この最悪シナリオでは、「いつ起きてもおかしくない」「準備を怠ると極めて大きな被害が出る」状況に他ならない。
なぜ「今」が特に警戒されているのか
以下の点が、現在の三陸沖で警戒感を高めている背景である。
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過去の類似パターン
東日本大震災前に、三陸沖付近でスロースリップのような現象が発生していたという報告がある。政府地震調査委員会もその点を指摘している。 FNNプライムオンライン -
震源域の地理的・構造的条件
三陸沖は日本海溝の北部、プレート境界が複雑で沈み込み速度も速く、固着しやすい領域とされている。大規模な海溝型地震が起きやすい「想定震源域」の一つである。 気象庁+1 -
スロースリップの観測
マグニチュード6〜7クラスの地震発生・断層のゆっくり滑りという状況が認められ、通常状態から「ひずみの蓄積→解放」サイクルの変化が生じている可能性が示唆されている。 -
公的機関の警戒発言
政府地震調査委員会の平田委員長が、「同規模以上の地震が続けて発生しやすい領域」「今後1か月ほど、同程度の揺れや規模を上回る地震、津波を伴う地震に注意するよう呼びかけている」旨を報じている。 FNNプライムオンライン -
制度的な注意情報が整備されている
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」など、先発地震の後に後発地震が起きる可能性を捉える情報制度がある。 気象庁+1
以上の背景から、「今、備えておく」ことが専門家・行政から強く促されている。
最悪の場合に備えるべき主な被害イメージと影響範囲
揺れ・建物被害
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震度6弱〜7レベルの揺れが沿岸部・内陸部で発生しうる。特に浅い震源・近傍断層滑り時には揺れが強く出る。
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資材・老朽化建物・木造密集地域では倒壊や火災発生のリスクが高まる。港湾設備・工場・物流施設にも影響。
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内陸断層との連動リスクも指摘されており、震源が海溝から内陸側まで拡大する可能性もある。
津波・沿岸被害
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マグニチュード8〜9クラスの海溝型地震では、三陸沿岸において数メートル~十数メートル級の津波到達が想定される。東日本大震災時には最大で40m級の津波が観測された。 ウィキペディア
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津波の第一波だけでなく、複数波・高波・遠隔津波反射・長時間浸水も想定される。
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津波被害は、住宅・漁港・港湾施設・道路・鉄道・ライフライン全般に波及する。海水の浸水による浸食・土砂災害・塩害・燃料流出など二次災害も懸念される。
ライフライン・インフラ被害
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電気・ガス・上下水道・通信・交通(鉄道・高速道路・港湾・航空)などの代替が効きにくい地域で寸断される可能性あり。
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特に漁業・海運・観光・物流に依存している三陸沿岸部では経済的な打撃が大きい。
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避難所の設置・十分な備蓄・自治体の災害対策機能・地域ネットワークが早期に機能しないと、被災者生活の長期化が想定される。
被害の拡大要因
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高齢者・障害者・災害弱者の多い地域では、自主避難・情報収集・移動確保の面でハンディキャップあり。
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海岸線の地盤低下・液状化・切迫した海抜・山崩れ・土砂災害との連動もリスク要因となる。
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復旧・復興には長期間を要し、被災後「元の状態に戻る」まで数年〜十数年を要する可能性あり。
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演習・備蓄・地域防災体制が十分でないと、被害が拡大・長期化する。
防災・減災の観点で今すぐできること
個人・家庭レベルで備えるべきこと
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避難経路・高台・津波避難ビル・指定避難場所を家族で共有しておく。
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非常持ち出し袋・備蓄(飲料水・食料・薬・懐中電灯・予備電池・ラジオ・携帯電話充電器等)を整えておく。
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家具の固定・耐震補強・ガラス飛散防止フィルム・倒壊しやすい物品の見直し。
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津波避難時に海岸・河口・低地から直ちに離れることを想定し、移動手段・時間帯・天候・夜間なども想定しておく。
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家族・地域の安否確認手段・集合場所・帰宅困難時の対応をあらかじめ話し合っておく。
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スマートフォン等で「緊急速報メール」「津波警報」「地震速報」の受信設定を確認。
地域・自治体・企業レベルで備えるべきこと
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避難訓練・発表訓練を定期的に実施し、スムーズに避難できる体制を確保。
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高齢者・障害者・地域弱者向けの支援計画・避難補助計画を整備。
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港湾・漁港・物流拠点・工場など沿岸インフラの耐震・津波対応を再点検。
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通信・交通・電力・ガス・水道の非常時対応力・復旧計画を整備・共有。
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情報発信・広報体制を強化し、「今、警戒すべき」状況になった時に迅速に住民へ周知。
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企業では事業継続計画(BCP)を見直し、リスクチェーン・物流遮断・復旧手段・代替手段を確保。
今後数日〜数週間の「注視すべき指標」
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三陸沖付近でのマグニチュード6以上/震度4以上の地震発生頻度と傾向。
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海底・陸上観測による「ひずみ速度」「地殻変動」「低周波地震(微動)」「スロースリップの兆候」など、専門機関の観測データ。
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津波注意報・警報の発令状況。沿岸域での潮位・流速・津波観測値。
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地震直後から1週間程度、震源近くでは“同規模あるいはやや大きい地震”が起きやすいという指摘あり(今回の気象庁発表でも「今後1週間程度、同程度の地震に注意」とされている)。 気象庁+1
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気象庁・地震調査委員会・自治体の「注意喚起」発言。公的機関が「警戒期」と表現しているかどうか。
総括・今、住民として何をするか
現在、三陸沖海域ではスロースリップの可能性が指摘されており、それは「ひずみが固着域で解放動作に入っている可能性がある」ことを示唆している。直ちに巨大地震が必ず起きるというわけではないが、地震・津波のリスクが平常時よりも高まっていると判断されるのも妥当である。
そのため、住民・地域・自治体としては「備える」ことを最優先とし、日常的な防災意識・避難準備・インフラ・情報受信体制を再点検すべきである。
特に沿岸地域では、津波避難ルート・高台移動・警報受信・避難所確認を今一度確認しておきたい。
また、今回のような「スロースリップが示唆される」段階では、専門家・行政によるモニタリング情報・注意喚起に注視しつつ、「今週・今月」を警戒期と捉えて行動することが賢明である。
万一、最悪シナリオが現実化した場合には、被害を完全に防ぐことは難しい。しかし、「発生後に被害を最小化する準備」は私たち自身で今からできる。被災後の回復力を高めるための備えを、この機会に改めて整えておきたい。
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