5つの工程でできる動くLINEスタンプ(アニメーションスタンプ)の作り方
LINEアニメーションスタンプを作りたいのにレギュレーションがややこしくて、なかなか手が付けられませんでしたが、今回ひさびさにトライしてみたら意外と簡単に作ることができました。
審査も土曜の夜に申請して、翌日曜の朝には承認されました(なんと12時間ほどでした)。リジェクトもなしでした。なんだ、こんなに簡単なのだったら、もっと早くトライしておけばよかった、と思いました。
この記事ではLINEアニメションスタンプ製作の流れを紹介します。わたしのように面倒臭い、と思ってなかなか製作に踏み切れなかった方でも、申請できるようになると考えています。
なお、アニメーションの作り方の詳細については今後別記事で紹介します。
もくじ
では、それぞれの工程について説明します。
1.アニメーションを用意する
adobe animate CCのようなアニメーション作成ソフトで作るのが一番手っ取り早いです。FPSの調整も簡単で、余白の削除も透過処理などで普通に処理できるからです。
⇒わたしはadobe animate CC (Creative Cloud)でアニメーションを作っています。
⇒その他のアニメーション作成ソフトはこちら。ちなみに、FPSというのはFLAME PER SECOND(1秒当たりのフレーム数)のことです。フレームレートとも言われます。
映画やテレビ、ストリーミングのコンテンツ、スマートフォンの標準的なフレームレートは24FPSとなっています。つまり、1秒間に24コマが表示されている、ということですね。
透過処理は、アニメーション制作ソフトでは背景を透過処理する(背景を無とする)ことが標準的にできるようになっています。
ここでは以下のようなアニメーションを用意しました。GIFアニメーションとして書き出していますが、adobe animate CCで作成した動画です。

これは以下の20枚の画でできています。

しかも(1)と(11)~(20)、(2)~(8)は同じ画像の連続です。つまり、(1)、(2)、(9)、(10)の4種類の画の繰り返しでこのアニメーションは出来上がっていたわけです。

この画像を使ってLINEアニメーションスタンプを作ります。
2.LINEの仕様に合わせる
次に、アニメーションの素材をLINEアニメーションスタンプのレギュレーションに合わせます。これに合わせないと、審査に通らないからです。
LINEアニメーションスタンプの仕様
- メイン画像:1個 幅240PX×高さ240PX APNG形式
- アニメ画像:8個/16個/24個 幅320PX×高さ270PX APNG形式
- トークルームタブ画像:1個 幅96PX×高さ74PX PNG形式
- スタンプの編集画面で、アニメーションスタンプの個数を選べます。
- 審査をリクエストしたあとは、個数の変更ができなくなります。
- アニメーションスタンプ画像はAPNG作成ツール(APNG Assembler等)を使用して作成します。ファイルの拡張子は[.png]です。
- アニメーションスタンプに使う画像は、以下の条件を満たしている必要があります。
- – 横320px × 縦270px以内
- – 横/縦のどちらかが270px以上
- (例)
- 横が270px未満の場合は、縦を270px以上にする。
- 縦が270px未満の場合は、横を270px以上にする。
- ループ数:1スタンプあたり1〜4回(再生時間4秒を超えない範囲内)。
- 最大再生時間: 1スタンプあたり4秒まで。
- アニメーションスタンプ1個あたりのフレーム(イラスト)数は、5~20フレームです。
- ※APNG作成ツール(APNG Assemblerなど)でAPNGデータをつくる場合、同じ画像を連続して使うと1フレームとしてつくられることがあります。
- ※すべてのフレームが同じ画像の場合は、アニメーションとして動作しないため、アップロードのときにエラーになります。
- カラーモードはRGBで制作してください。
- 画像は1個あたり300KB以下にしてください。すべての画像をZIPファイルにまとめてアップロードするには、ZIPファイルを20MB以下にしてください。
- LINE STOREまたはスタンプショップで販売するとき、APNGの1フレーム目の画像は静止画として表示されるので注意してください。
- イラストなどの背景は透過にしてください。
- トークルームタブに表示されるスタンプ画像内の再生マークは、自動的に追加されます。そのため、スタンプをつくるときに、再生マークを画像に含めないようにしてください。
(注)最新版のレギュレーションはLINEクリエーターズマーケット内の「ガイドライン」をご参照ください。
今回使用する「力士のおはよう」スタンプは、既にLINEアニメーションスタンプの仕様に合わせて作っています。

スタンプのフレーム数は最大20コマまで、1枚目の画像に静止画になった際に表示される特徴的な画を配置しています。
また、フレームレートは20FPS(1秒間に20コマ)で、ループの回数は4回にすれば、スタンプの総再生時間も4秒ぴったりになります。
アニメーション作成の段階では、到底こういったレギュレーションを考えて作っていませんので、わたしは「アニメーションを作成してストックしておくドキュメント」と「アニメーションをLINEのレギュレーションに合わせてPNG連番画像を書き出すドキュメント(仕上工場)」の二つを作って、作業しています。


これでLINEのレギュレーションに合ったアニメーションができたので、PNG連番画像を一時的にストックしておく「連番画像ファイル」と、最終的な製作物であるAPNG画像をストックする「APNG画像ファイル」を用意しておきます。

3.PNG画像として書き出す
次に、PNG画像として書き出します。これはadobe animate CCの書き出しツールでできます。「ファイル」⇒「書き出し」⇒「ムービーの書き出し」を選択し、書き出し後のファイル形式として「PNG」を選択し、書き出し先のファイルを「PNG連番画像庫」にして、「保存」ボタンをクリックします。

すると以下のようなダイアログが出てくるので「書き出し」をクリックします。

すると、無事にPNG連番画像が書き出されます。

ただしサイズは300KBを大幅にオーバーしている。
しかしこのままだと画像サイズが611KBと、レギュレーションを大幅にオーバーしています。なので次の「画像圧縮」に進みます。
4.画像圧縮をかける
スタンプひとつあたり300㎅以下、というレギュレーションに合わせるため、多くの場合、画像圧縮を賭けなければなりません。そしてそれはpngyuというフリーソフトで行うことができます。

そして「Compress Start」ボタンをクリックします。

すると300KB以下に圧縮されました。次は最終工程「APNG画像としてまとめる」です。
5.APNG画像としてまとめる
これは「アニメ画像に変換する君」というフリーソフトを使います。

ソフトを起動したら、まず、「用途」は「LINEアニメーションスタンプ」にして、フレームレートトループ回数を「力士のおはよう」の20FPS、4回に調整します。
そして先ほど圧縮したファイル「PNG連番画像庫」の中身をまとめてドラッグ&ドロップします。すると以下のような確認画面が表示されます。

なお、背景はチェッカーフラッグのような模様に泣ていますが、これは背景が透過されていることを示すものなので問題ありません。
フレームサイズ、フレーム数、再生時間を念のため確認し、再生ボタンを押してアニメーションの動きを確認します。
問題ないようでしたら、「アニメ画像を保存する」ボタンをクリックします。すると以下のような「ファイルの保存先を選択」ダイアログが表示されます。

「APNG画像倉庫」を選択し、画像名をつけて「保存」をクリックするとLINEアニメーションスタンプが出来上がります。
出来上がったファイルをブラウザ上にドラッグ&ドロップするとアニメーションが再生されます。
この作業をメイン画像のぶんとラインスタンプの数(8個/16個/24個)だけ繰り返し、トークルーム用の小さな画像(これは動かないのでただのPNG画像となります)を用意すれば完成です。
これでLINEクリエイターズマーケットに承認申請を行えます。
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