なぜアメリカはベネズエラの次にコロンビアを「狙う」のか~『次はコロンビアにしようかな♪』なトランプさんのLINEスタンプ

LINEアニメスタンプ(非公式)

アメリカとコロンビアの関係史年表

――なぜアメリカはベネズエラの次にコロンビアを「狙う」のか


はじめに:なぜ今、コロンビアなのか

中南米情勢を語る際、長らく注目の中心にあったのはベネズエラである。反米左派政権、膨大な石油資源、中国・ロシアとの接近という要素が揃い、アメリカにとって最重要の地政学的懸念事項であった。しかし近年、アメリカの視線は次第にコロンビアへと移りつつある

コロンビアは一見すると親米国家であり、軍事・経済・外交のあらゆる面でアメリカと緊密な関係を築いてきた国である。それにもかかわらず、「ベネズエラの次にアメリカが狙う国」として語られるようになっているのはなぜなのか。

その答えは、アメリカとコロンビアの長い関係史と、現在進行形で起きている中南米の地殻変動の中にある。

本稿ではまず、アメリカとコロンビアの関係史を年表形式で整理する。そのうえで、なぜアメリカが中南米において「次の焦点」としてコロンビアを強く意識しているのか、その根拠を多角的に論じていく。


第1章:アメリカとコロンビア関係史【年表】

19世紀:独立とアメリカの影響力拡大

1810年
・コロンビア(当時の大コロンビア)がスペインから独立運動を開始
・アメリカはラテンアメリカ独立運動を原則的に支持

1822年
・アメリカがコロンビア(大コロンビア)を正式承認
・中南米諸国の中でも比較的早期の承認であり、親米関係の起点となる

1823年
・モンロー主義発表
・「西半球は欧州の干渉を許さない」という原則が、将来の中南米介入の理論的基盤となる


20世紀前半:パナマ運河と介入の始まり

1903年
・アメリカの支援によりパナマがコロンビアから分離独立
・パナマ運河建設のため、アメリカはコロンビアの主権を事実上無視
・コロンビア国内に強い反米感情が芽生える

1914年
・アメリカ、パナマ分離への補償としてコロンビアに2500万ドル支払い
・関係修復が図られるが、力による外交の記憶は消えず


冷戦期:反共の最前線としてのコロンビア

1948年
・首都ボゴタで暴動(ボゴタソ事件)
・共産主義拡大への恐怖から、アメリカはコロンビアへの関与を強化

1960年代
・左翼ゲリラ組織FARC、ELNが台頭
・アメリカは「反共」の名のもとで軍事支援を拡大

1970年代
・麻薬カルテルの成長(メデジン・カルテルなど)
・麻薬問題が米コ関係の中心課題となる


1990年代〜2000年代:プラン・コロンビア

1999年
・アメリカとコロンビアが「プラン・コロンビア」を開始
・麻薬撲滅と反政府武装勢力掃討を目的に、アメリカが巨額の軍事・治安支援

2000〜2010年
・アメリカは総額100億ドル以上を支援
・コロンビア軍は南米最強クラスに成長
・一方で人権侵害や民間人殺害も問題化


2010年代:和平と新たな緊張

2016年
・コロンビア政府とFARCが和平合意
・アメリカは和平プロセスを支持する一方、影響力低下を警戒

2019年以降
・ベネズエラ危機が激化
・コロンビアは反マドゥロ陣営の最前線基地として機能


2020年代:左派政権の誕生と関係再編

2022年
・左派のグスタボ・ペトロ大統領誕生
・コロンビア史上初の本格的左派政権
・アメリカとの距離感に変化が生じ始める

2024年以降
・中国の経済進出が急拡大
・アメリカはコロンビアの「戦略的再位置づけ」を迫られる


第2章:アメリカは本当にコロンビアを「狙っている」のか

「狙う」という表現は刺激的であるが、軍事侵攻や政権転覆だけを意味するものではない。ここで言う「狙う」とは、政治・軍事・経済・情報のあらゆる手段を用いて、再び自国の影響圏に確実に組み込もうとする動きを指す。

その根拠は主に以下の5点に集約される。


第3章:根拠① 地政学的位置の重要性

コロンビアは中南米で唯一、
カリブ海
太平洋
の両方に面する国家である。

これはアメリカにとって極めて重要である。

  • ベネズエラ封じ込め

  • パナマ運河の安全確保

  • 太平洋側からの中国進出の監視

これらすべてにおいて、コロンビアは軍事・情報拠点として代替不可能な国である。


第4章:根拠② ベネズエラ崩壊後の「次の不安定要因」

アメリカの中南米戦略は常に「最悪を防ぐ」ことに主眼がある。

  • ベネズエラが事実上の破綻国家化

  • 難民流入

  • 武装組織の越境

これらの影響を最も強く受けるのがコロンビアである。
アメリカは、ベネズエラの次に連鎖崩壊が起きる国として、コロンビアを警戒している。


第5章:根拠③ 左派政権の台頭と路線転換の兆し

ペトロ政権は以下の点で従来と異なる。

  • 対米従属路線からの距離

  • ベネズエラとの関係修復

  • 中国・BRICS諸国との関係強化

これはアメリカにとって、
「親米の模範国家だったコロンビアが離反する可能性」
を意味する。


第6章:根拠④ 中国の経済浸透

中国はすでに、

  • インフラ投資

  • エネルギー事業

  • 通信分野

でコロンビアへの関与を深めている。

アメリカにとって、
南米の心臓部に中国が根を張ることは絶対に容認できない


第7章:根拠⑤ 軍事協力の再定義

アメリカは現在、

  • コロンビア軍の再教育

  • 情報共有体制の強化

  • 新たな安全保障協定

を模索している。

これは「信頼の再確認」であると同時に、
コントロールの再構築でもある。


結論:コロンビアは「次の標的」ではなく「最後の要石」である

重要なのは、アメリカがコロンビアを破壊しようとしているわけではない点である。

むしろアメリカは、

  • ベネズエラ崩壊後の秩序維持

  • 中国・ロシアの影響遮断

  • 中南米全体の再安定化

のために、
コロンビアを絶対に失ってはならない国家と位置づけている。

その結果として、
政治的圧力、経済的誘導、軍事的関与が強まっているに過ぎない。

「狙っている」というより、
「必死に引き留めている」
それが現在のアメリカとコロンビアの関係の本質だと言えるのである。

150x150px

Follow me!