ウィンストン・チャーチルさんのイラスト

人生最大の教訓は、愚かな者たちでさえ、時には正しいと知ることだ~ウィンストン・チャーチル


第二次世界大戦中に英国首相となり英国を勝利へと導いた名宰相。

しかしわたしには、ジャック・ヒギンズの小説『鷲は舞い降りた(The Eagle Has Landed)』で誘拐されかかった人、のイメージの方が強い。

イギリスのノーフォーク北部にある田舎町「スタドリ・コンスタブル」を取材で訪れたジャック・ヒギンズは、教会の墓地の片隅に隠匿されていた墓石を発見する。

そこには「クルト・シュタイナ中佐とドイツ落下傘部隊13名、1943年11月6日、ここに眠る」と刻まれていた。

奇妙な墓碑銘の真実を探す旅を始めたヒギンズはやがて、かつてドイツ軍が実行したある作戦を知る。時代は第二次世界大戦まで溯る・・・。

イギリス冒険小説界の大御所ジャック・ヒギンズの出世作となった『鷲は舞い降りた』は、それまで「悪者」としてしか描かれることのなかった元敵国であるドイツの将校とその仲間たちを主人公とした冒険小説である。

ヒギンズの小説の多くに登場する主人公は「ロマンチックな愚か者」であることが多いが、わたしの知る限り、クルト・シュタイナ少佐が「ロマンチックな愚か者」第一号である。

現代的な「正義感のある人間」としてはたいへん格好よく、読む人の心を鷲掴みにするのだが、実際にはこんな人はいなかっただろう。第二次世界大戦中のドイツは日本とたいして変わらない、全体主義であった。そんななかで人間の良心に従って行動したとしたら、たぶんすぐ死んでいただろう(軍法会議ののち銃殺)。主人公の存在自体、どう考えても荒唐無稽な物語なのだ。

しかし、いくら荒唐無稽な小説とはいえ、歴史に逆らうことはできずチャーチル誘拐は失敗に終わる。そして、クルト・シュタイナ少佐とその仲間たちの活躍は戦争のむなしさを教えてくれるには十分な物語だった。

実は1976年に映画化もされていたがわたしには全く記憶がない。

クルト・シュタイナ少佐役にマイケル・ケイン(吹き替えの声は広川太一郎)、リーアム・デブリンにドナルド・サザーランド、デブリンと恋に落ちるモリー役にジェニー・アガター(吹き替えの声は戸田恵子)、そして監督は「荒野の七人」のジョン・スタージェスと、結構豪華なスタッフ(吹き替え版も含めて)だったようだが、長編小説のプロットを2時間強の映画で表現するのは難しかったのか、大ヒットとはならなかったようだ。

「鷲は舞いおりた」~映画版

Documentary Films – The Life and Times of Winston Churchill

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