「米俳優ロバート・レッドフォードさん亡くなる」な女子アナさんのLINEスタンプ
LINEアニメスタンプ(非公式)

「明日に向かって撃て」がニューシネマに与えた影響とロバート・レッドフォードの立ち位置
1969年に公開された映画『明日に向かって撃て!(Butch Cassidy and the Sundance Kid)』は、アメリカ映画史における転換点の一つとして位置付けられている。この作品は、西部劇という古典的ジャンルを刷新すると同時に、ニューシネマ(あるいはニュー・ハリウッド)と呼ばれる潮流の中核的存在となった。そして主演の一人であるロバート・レッドフォードは、この作品を契機にハリウッドにおける確固たる地位を築き、後に監督・プロデューサー、さらには映画祭創設者として多方面に影響を与える存在となった。本稿では、『明日に向かって撃て』がニューシネマに与えた影響と、2025年9月16日に死去したロバート・レッドフォードのハリウッド映画における立ち位置について論じる。
ニューシネマと時代背景
1960年代末から1970年代にかけてのアメリカは、ベトナム戦争、公民権運動、若者文化の台頭など大きな社会変動のただ中にあった。従来の古典的ハリウッド映画が描いてきた「単純な善悪二元論」「絶対的ヒーロー像」は観客の共感を得にくくなり、代わって時代の矛盾や不安を映し出す映画が求められるようになった。この潮流がいわゆるニューシネマである。マーティン・スコセッシやフランシス・フォード・コッポラといった監督が台頭したのもこの時期であった。
『明日に向かって撃て!』の革新性

本作の革新性は大きく分けて四点にまとめられる。
- アウトロー像の再定義:ブッチとサンダンスは銀行強盗でありながら人間味とユーモアを持ち、観客に共感を呼ぶ存在として描かれる。従来の「正義のガンマン」とは異なる曖昧なヒーロー像である。
- 時代の変化の反映:近代化と法の網に追われ、自由な生き方がもはや許されない「西部の終焉」を主題化している。これはアメリカの社会変動を象徴的に示していた。
- 映画表現の刷新:軽快な挿入歌「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」、セピア調の映像、ユーモアと悲劇の緩急など、従来の西部劇の形式を解体しつつ新しい映像体験を提示した。
- スターとキャラクターの融合:ポール・ニューマンとレッドフォードというカリスマを持つ俳優が、人間的な弱さと矛盾を抱えた役柄を演じることで、スター像に新しいリアリティを与えた。
ニューシネマへの影響
『明日に向かって撃て!』は西部劇ジャンルの再解釈を促し、リヴィジョニスト・ウェスタンの代表例とされた。その後の『マケイヴ&ミセス・ミラー』や『小さな巨人』などが、この系譜を受け継いだ。また、批評的評価だけでなく商業的成功も収めたため、社会性と娯楽性を兼ね備えた映画が市場で成立することを証明した。これによってニューシネマ的作品が主流化する下地が整ったのである。
ロバート・レッドフォードの映画史的位置
レッドフォードは本作によって一躍スターとなり、その後1970年代を代表する俳優の一人となった。『スティング』『大統領の陰謀』『候補者ビル・マッケイ』などに出演し、社会的・政治的テーマを含む作品に積極的に参加した点が特徴である。彼は単なる二枚目俳優にとどまらず、ニューシネマ的精神を体現する役者として存在感を放った。
さらに1980年には監督デビュー作『普通の人々』でアカデミー賞監督賞を受賞し、演じる側から創り出す側へと活動の幅を広げた。そして1981年にはサンダンス・インスティチュートを設立し、インディペンデント映画支援の拠点を築いた。サンダンス映画祭は後に世界的に権威ある映画祭へと成長し、若手映画人の登竜門となった。
晩年と遺産
晩年のレッドフォードは出演作を減らしながらも、映画祭活動や環境保護運動に注力し続けた。彼の存在は単なる往年のスターではなく、「映画を通じて社会と向き合う姿勢」を体現する象徴であった。2025年9月16日にその生涯を閉じたことは、ハリウッドにとって大きな節目であり、彼の残した遺産は映画史に深く刻まれ続けるであろう。
総括
『明日に向かって撃て!』は、西部劇の伝統を刷新し、ニューシネマの方向性を広げた記念碑的作品であった。そしてロバート・レッドフォードは、この作品を契機にスターとなり、以後は俳優・監督・映画祭主宰者として映画産業全体に影響を与え続けた。その立ち位置は、古典的スター像の継承者であると同時に、社会性と芸術性を結びつける新時代の旗手であったと言える。彼の死によって一つの時代が閉じたが、その足跡は今後も映画人にとって大きな道標であり続ける。
150x150px


