モロボシダンさんのイラスト
「モロボシダンの名を借りて」、ウルトラセブン=湘南のカフェのマスター、森次浩二さん
炭鉱採掘現場で死亡した薩摩次郎の姿形を借りた設定のウルトラセブン。
低予算ながら「異色」のウルトラシリーズを作ることができた。
やはりどんなときも、「ピンチは最大のチャンス」なのかもしれない。
数十年かかって移り変わっているウルトラシリーズを見ていると(すまん、「帰ってきたウルトラマン」以降は全く見ていない)、そう感じる。
海外の俳優は007・ジェームズ・ボンドに抜擢されることを回避する人もいるという。
それは自分のイメージがジェームズ・ボンドに支配されることが自らの俳優人生にとってむしろマイナスになることを嫌うためだという。
しかし、森次浩二さんはどうか。
モロボシダンを演じて50年を目前にしているのにいまだにモロボシダンなのである。
この人が時代劇やいろいろなドラマのわき役、悪役、殺され役として出演しているのを見てきたが、どうしても「あ、モロボシダンだ」と思ってしまう。
007役を回避する俳優さんの心理の真髄がここにはある。超名作に出演したら最後だ・・・、俳優人生が終わる・・・!
同じく、「役者バカ」で有名な藤岡弘、さんも「仮面ライダー」の十字架を一生背負う羽目になってしまった人だ。
だが、森次浩二さんにしろ、藤岡弘、さんにしろ、そんな人生もありだと思う。
「ウルトラセブン」にしろ「仮面ライダー」にしろ、それだけ深い爪痕をわれわれの心に刻んだのだ。
ダニセル・クレイグも、そんな森次浩二さんや藤岡弘、さんを見て、ジェームズ・ボンドになることを決めたのかもしれない。
「役者バカ」というのは、じつは役者としては最高の栄誉なのかもしれない。
ウルトラセブン最終回
最終回のウルトラセブンで、自らの正体をカミングアウトしたモロボシダンがアンヌ隊員に語り掛ける別れの言葉の中に「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ」というのがあります。明けの明星(金星)が輝くのは東の空です。これには多くの人が疑問に思ってきたのではないかと思いますが、「西の空に明るく輝く星」=「死にかけてM78星雲に帰っていくモロボシダン」のことなのだ、という解釈をすればすべてが丸く収まります。「明けの明星が輝くはずのない西の空に輝く星がわたし(ウルトラセブン)なのです」というわけです。そのほうが目立つし。そう考えると、モロボシダンのこの言葉が一層ロマンチックに聞こえます。
アンヌ隊員
どこからどう見ても可愛くてセクシーなアンヌ隊員。