高市早苗新総裁爆誕と今後の予想~『ワシの時代じゃあっ!』な高市早苗さんのLINEスタンプ
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予想が外れて高市さんが新総裁になった。
決選投票前の両者の演説で勝負あった、な感じが否めない。空虚な言葉を羅列するだけの小泉さんの演説に対して、高市さんの演説には気迫と覚悟を感じた。「これは勝負にならないな」と感じた瞬間でもあった。
なお、総裁選前に麻生さんが発した「党員票の多い者を決選投票で推す」というのも効いたのかもしれない。キングメーカーは健在であった。
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かくして高市さんが堂々と小泉さんとの一騎打ちに勝利したわけだが、彼女のこれまでの発言の内容から、今後どのような国政を行っていくのか予測してみた。
最初に結論
高市早苗新総裁は保守的・ナショナリスト的傾向が強いと評価される一方、経済面では「拡張的な財政」と「アベノミクス的路線の継承」を掲げ、金融政策や経済安全保障に強い関心を示してきた。外交では対中強硬、台湾重視、日米同盟の重視を示す発言が目立つ。よって短〜中期的には財政出動志向の経済運営+防衛・安全保障重視の外交シフト+移民・在留管理の厳格化が想定される。ただし、実行の可否は与党内外の支持、国会構成、国際市場の反応に左右される。
根拠となる主要ポイント
- 高市氏は自民党総裁選で勝利し、党内保守層の支持を集めた。報道は彼女を「保守的/ナショナリスト」と特徴づけている。
- 経済面ではアベノミクス路線の継承や拡張的財政の志向が報じられている。市場関係者は財政・金利の行方を注視している。
- 外交・安全保障では対中強硬姿勢、台湾重視、そして改憲・防衛力強化への積極的姿勢が示唆されている。近隣諸国は懸念を表明している。
国内政策の予測
経済政策
予想される方向性は次の要素から成る。
- アベノミクス的・拡張的政策の継承・加速:高市氏は成長重視・財政出動を否定しない姿勢を示唆しており、景気下支えや成長投資(インフラ、デジタル・グリーン投資、成長分野への補助)に重点を置く可能性が高い。市場や有識者は「アベノミクス路線の継承」との見方を示している。
- 金融政策との関係:日銀の金融政策(特に長短金利やインフレ目標の扱い)に対して政府側からの圧力や口出しが強まる恐れがある。過去の発言・支持層の期待を踏まえると、低金利・緩和的環境を好む方向で発言することが想定され、市場は利回り上昇や円安リスクを懸念する。
- 経済安全保障と産業政策:経済安全保障担当を務めた経験があるため、供給網・重要技術の保護(半導体、レアアース代替、重要インフラの外資管理)に関する産業支援や規制が強化されるだろう。資本規制や外資規制の見直し、戦略的投資誘導も強まる可能性がある。
- 財政健全化とのトレードオフ:拡張的政策は短期的な需要刺激に寄与するが、日本の高水準の公的債務とのバランスが課題となる。長期的には税制(消費税再評価、富裕層課税など)や公的支出の優先順位設定が争点となる。
【影響予測】短期は景気刺激効果や企業収益の下支えを期待できるが、国債利回りの上昇・為替変動・国際投資家の警戒が金融市場リスクを高める。中期的には成長投資が実効的に行われるか、構造改革(労働市場、規制緩和)をどこまで進めるかが成否を左右する。
社会福祉政策
- 子育て・少子化対策の強調:保守系の政権ではしばしば「家族支援」「婚姻・出産支援」などの政策が強調される。高市氏も家庭支援を重視する発言をしており、子育て支援・保育所整備・給付型支援の拡充が優先される可能性が高い。
- 社会保障の給付拡大 vs 持続性:高齢化対応として医療・介護分野の支援強化は図られるが、財源制約から全世代型の給付拡大と高齢者支援のバランス調整が必要となる。現実的には部分的な給付拡大(介護人材支援、在宅サービス強化)や保険制度改革の議論が進むだろう。
- 保守的価値観の反映:社会政策の設計において伝統的家族観や道徳的規範を重視する文脈が強まりうる。教育分野(歴史教育や道徳教育の強化等)での政策を後押しする動きが想定される。
【影響予測】家族支援などの短期的な好感度は得られるが、若年層の労働環境改善や非正規の待遇改善など構造的課題に踏み込めるかがカギとなる。保守色が強まると多様性・ジェンダー政策の後退を懸念する声も出る。
外国人問題(在留・移民)
- 在留管理の厳格化:総裁選のキャンペーンや一部発言を含め、治安や地域トラブルを理由に外国人の受け入れに慎重・厳格な姿勢を示す発言があったと報じられている。したがってビザ条件の厳格化、在留資格の運用見直し、不法滞在対策の強化が短期的に優先される公算が大きい。
- 労働市場のミスマッチ対応:一方で、人口減少を背景に労働力需要は続くため、技能実習や特定技能など既存制度の運用見直し(厳格化しつつも選別受け入れを維持)や高度人材の呼び込み強化(条件付き)という「選別型移民政策」が採られる可能性が高い。
- 帰化・自治体運用の厳格化:安全保障上の懸念から帰化審査や重要ポストへの外国人登用の慎重化、自治体レベルでの在留者管理の強化が進む可能性がある。
【影響予測】短期的には厳格化政策が支持基盤に受けるが、産業界や地方自治体からは人手不足を理由に柔軟な受け入れを求める声も大きく、調整が必須となる。
国際政策の予測
対中国政策
- より強い抑止・警戒姿勢:高市氏は対中に関して厳しい姿勢を取るとの報道が多く、安全保障面(台湾問題、東シナ海)で米国や友好国との連携を強化する方向が有力である。公的領域での対中投資の制限や重要分野の対中依存低減(サプライチェーン再構築支援)を推進するだろう。
- 外交関係の緊張可能性:靖国参拝や歴史認識での強硬姿勢が続けば、中国側の反発が強まり、経済や人的往来の「摩擦」が増えるリスクがある。これに備えた危機管理・連絡チャネルの維持が重要となる。
【影響予測】短期的には安全保障面での緊密化(対米・対台協力等)とともに、対中経済関係の一部「選別的分離(decoupling)」が進む。中国側の報復(経済面・外交面での圧力)が起きる可能性に備える必要がある。
対韓国政策
- 歴史・法的対立の先鋭化リスク:高市氏の保守的立場は歴史認識や靖国問題で韓国側と摩擦を生みやすい。元徴用や慰安婦問題など懸案での強硬姿勢は、関係修復を難しくする可能性がある。
- 経済協力は限定的に維持:安全保障上の利害(北朝鮮情勢等)や経済面での相互依存は残るため、全面的な断絶は起きにくいが、政治的な冷え込みが長期化する懸念がある。
【影響予測】文化・人的交流における緊張、貿易や投資関係の慎重化が見られるが、実務面では対話の回路は維持されるだろう。
その他アジア諸国政策(東南アジア・台湾など)
- 台湾重視・民主主義拠点化の推進:報道・発言から台湾を重要な友人・パートナーと位置づけ、経済・安全保障の協力を強化する姿勢が示されている。台湾との非公式な連携強化、サプライチェーンや防衛協力での協働が進む可能性がある。
- 東南アジアとの経済外交:対中対抗の一環として、ASEAN諸国との経済協力やインフラ支援を拡大し、地域におけるプレゼンスを高める戦略が採られるだろう。特に投資・資源・サプライチェーン誘致での競争力強化が想定される。
【影響予測】台湾・ASEANとの結びつき強化が日本の地域戦略の柱となり、中国への依存低減策の一部として機能する。
対米政策
- 同盟重視・安全保障協力の深化:高市氏は日米同盟を重視する立場で、米国との防衛協力やインド太平洋での連携強化を図るだろう。共同演習、情報共有、基地運用協議などがより密接になる見込みである。
- 経済交渉での自主性と交渉力強化:貿易や投資面では米国との協調は継続しつつも、「日本側の利益確保」を強く主張する場面が増える可能性がある(例:特定協定の見直しや市場アクセスでの再交渉姿勢)。
【影響予測】日米関係は基調として良好だが、交渉上の主張は強まり、同盟負担や基地問題での国内調整は続く。
対欧州諸国政策
- 価値を共有する民主主義国家としての連携強化:自由主義や市場経済を共有する観点から、EU・英国などとの安全保障や技術連携(脱炭素、デジタル規制、サイバーセキュリティ)での協力が進む可能性が高い。
- 経済連携は実務的:経済面では自由貿易・投資の枠組みで実務的な協力を維持・拡大するが、対中政策での足並み揃えに関しては欧州側との調整が必要となる。
【影響予測】欧州とは安全保障・技術面での協力が伸び、国際舞台での対中・人権・ルールベースの秩序維持で連携が深まる。
リスクと逆作用の予測
- 外交摩擦の増加:靖国参拝や歴史認識の言動、対中・対韓での強硬姿勢は隣国との関係を悪化させ、貿易・観光・人的交流に負の影響が出る可能性がある。
- 市場の不安定化:拡張財政と金融政策に対する政府の関与強化が、国債利回りや為替でのボラティリティを高め、投資家の警戒を招く恐れがある。
- 国内分断の深まり:移民政策や文化・歴史問題での保守色の強化は国内で賛否を生み、都市と地方、若年層と高齢層の間で政策評価が分かれる可能性が高い。
短期的に注視すべき指標
- 内閣・閣僚人事(経済担当、外務、防衛の布陣) — 政策優先順位の明確化に直結。
- 予算編成の方向性(追加経済対策の規模・用途) — 拡張的か緊縮的かを示す。
- 日銀との対話のトーン(日銀独立性への圧力や見解) — 金融政策の安定性に影響。
- 在留管理関連の法改正や通達(ビザ・帰化・在留審査の運用) — 外国人政策の実態を示す。
- 対中・対韓の公式外交通告、首脳会談の頻度と内容 — 地域関係の軌道修正を読む手掛かり。
今後の展望
高市早苗総裁の下では、経済的には拡張的な成長志向(成長投資重視)を掲げつつ、同時に安全保障・経済安全保障を強化する姿勢が前面に出ることが予想される。外国人政策については厳格化が短期的方針となりうるが、人口減少という構造問題があるため「選別的受け入れ」というトーンでの運用が現実的である。外交では日米同盟と台湾重視が基軸となる一方、歴史・ナショナリズム問題で中国・韓国との摩擦が深まるリスクがある。これらは国内政治のバランス、国会の議席配分、国際情勢(特に米中関係)の変化によって容易に軌道修正されうる。
最後に強調する点は、予測は「既存の発言・報道を基にした合理的推測」であり、政策実行の最終形は現実的制約(財源、与党内調整、国際的反応)に強く影響されるということである。主要報道を参照した要点は下記の報道で確認できる。
シンゾーさん譲りの(同期当選なのだが)「筋金入りの保守」である高市さんが今後どのようなかじ取りをしていくのか、楽しみではある。
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