ロジャー・ムーアさんのイラスト
Sir Roger George Moore
40代後半~50歳台くらいのひとの007のイメージはこの人なのではないでしょうか。
荒唐無稽過ぎるストーリーに技術的にあり得ない秘密兵器、出会う女性とは片っ端から肉体関係を持ち(例えそれが敵であっても)、どんな窮地も顔色一つ変えずに乗り切りジョークを一言、そして最後はボンドガールといちゃいちゃするシーンで終わる、伝統的007映画のパターン(もはや喜劇でした)を確立した人です。テレビでちょっと見するだけだったときはこのシリーズ、完全にコメディなのだと思っていました。
その後映画館で「for your eyes only」を初めて観て、「コメディではなかったんだ・・・」と衝撃を受けたのを覚えています。
ロージャー・ムーアさんのプレイボーイ風007のイメージを形成するのに一役買った、というか大きなアシストとなったのは声優の広川太一郎さん(故人)だったのではないでしょうか。
広川太一郎さんのアフレコはわたしは本当に大好きで、「ヤリイカで一杯ヤリイカ」的なオリジナル版では言ってるはずのないダジャレをバシバシ投入する仕事ぶりは戸田奈津子さんも真っ青ですが、あれを平気で放映していたテレビ局も今より遊び心があったような気がします。
声優でいえば、ショーン・コネリーを若山弦蔵さん、チャールトン・ヘストンやジョン・ウェインを納谷悟朗さん、クリント・イーストウッドを山田康雄さんが演じるのが定番でしたが、彼らの吹き替えはオリジナルを凌駕するような出来栄えでした。
そんなロジャー・ムーアさんはがんで闘病の末、2017年5月24日に89歳で亡くなりました。
死ぬのは奴らだ(1973)
黄金銃を持つ男(1974)
私を愛したスパイ(1977)
ムーンレイカー(1979)
ユア・アイズ・オンリー(1981)
オクトパシー(1983)
美しき獲物たち(1985)