岡田武史さんのイラスト
TAKESHI OKADA
岡ちゃんである。
サッカー元日本代表監督。
二回やったのは、たぶんこの人だけである。
実は、彼が二度目の日本代表監督の時のW杯南ア大会の「ベスト16」が日本代表の過去最高位なのだ(日韓共同開催の時は開催国特権があったので南アW杯のほうが価値あると思う)。
先日、マリ、ウクライナとのサッカー日本代表の試合を見たが、監督も選手たちも自信なさげだった(そのように見えた)。見ていて「勝てる」と感じた瞬間は一度もなかった。
あれでは勝てまい。
技術的なことは専門家でないのでなんとも言えないが、いくらボール支配率が高くても結局は相手より多く点を取ったほうが勝ちだ。
90分のうち89分攻められていてもそれを0点でしのいで、たった1回のカウンターで1点取れば、勝ちなのだ。
サッカーとはそういうゲームなのではないのか。
日本代表は伝統的に、得点力について「決定力不足」をよく指摘されるが、より心配なのは守備のほうである。
点が取れなくても負けないが、点を取られたら負ける。
マリもウクライナもチャンスはほかにもあったが決定力に欠けた。もし彼らにもう少し決定力があったなら、日本はボロ負けだったに違いない。かなり贔屓目に見てもそう感じた。
もしハリルホジッチ監督に日本代表を指揮する自信がないのであれば、ここは三度(みたび)岡ちゃんがいいのではないかと思う。
岡ちゃんのいい点は3つある。
一つ目は日本人が海外のチームと戦って勝つパターンを持っていること。守備的と言われるがなんでもいい。勝てばいいのだ。スウェーデンを見てみろ。
二つ目は非情になれることだ。フランスW杯でのカズ外し(実は北沢も同時に外されていたが忘れられかけている)は、わたしはいまだに納得できないが、そういうことができる人なのだ。代表監督に向いている。
三つ目は「途中からやることに慣れている」ことだ。
フランスの時も南アの時も途中からだった。フランスの時よりも南アの時のほうがずいぶんうまくやれた。三度目はもっとうまくやってくれるに違いない。
実は今、もう既にウォーミングアップ(選手選考)しているのかもしれない。
それほどに今回のハリルホジッチ監督は自信がなく、打つ手もなさそうに見えた。
唯一いい点を挙げるとすれば、南アの時も大会直前はチーム状態はボロボロで誰も期待していなかったことと似ていることだ。
当時ただ一人元気のあった本田が今回の中島だ。
予選リーグの初戦の相手はコロンビアだ。普通にやれば相手にもならないだろう。
だが勝負事はやってみなくてはわからない。
日本代表が生き生きとピッチを駆け回る姿を期待したい。