イパネマの娘(1)
“Garota de Ipanema“
イパネマの娘のイメージ、その1。
イパネマの娘はおそらくボサノバで最も有名な曲で原題はポルトガル語の”Garota de Ipanema“。
1962年にブラジルのアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)が作曲した。
イパネマとはブラジルのリオデジャネイロにある海岸のことで、綺麗な娘を見たアントニオ・カルロス・ジョビンが一瞬のうちに描いた曲と言われる。
ジョビンを始めとするボサノバの1960年前後、イパネマ海岸にあるバー「ヴェローゾ」に集まって飲むことが多かった。
そこに、近所に住む少女エロイーザが母親の吸うタバコを買いにしばしば訪れていて、近所でも評判の美人だった。
この人が「イパネマの娘」のイメージであるとされる。
わたしが生まれる前の曲だが、子供の頃からそこかしこで聞いたからであろうか、この曲を聞くと不思議といろいろなイメージが沸いてくる、そんな曲である。
音楽や景色、色や音や臭い、いろいろなもので人はあらゆることをフラッシュバックのように思い出すものだが、わたしの場合、それがボサノバであったり、フランク・シナトラであったり、トニー・ベネットだったり、グレン・ミラーだったり、ミッチ・ミラーだったり、ジョン・ウェインだったりするのだ。
おそらく、父親の影響なのだろうが、この手のレコードが今でも実家に数多く残っている。父親の通夜の際、これらの曲(ジョン・ウェインは違うが)を順にかけ続けて彼をあの世に送り出した。
そんな、「イパネマの娘」シリーズ第一弾。
個の金髪の娘の名前は知らないが、わたしにとっての「イパネマの娘」のイメージなのだった。